天安門事件後の中国
北京市の「民間旧芸品市場」。
30軒余りの個人営業の骨董屋が、6畳ほどの戻いプレハブの店を連ねる新しい観光名所のひとつです。
骨董といっても、中国では、国家文物局の検査でおよそ100年前、つまり覇末期以降のものしか国外に持ち出せません。
しかも陶磁器だと、宮廷御用達の「官窯」で焼き上げられた精巧な作品は博物館入りになります。
売っているのは2級品以下の「民窯」の雑器が中心です。
スペースコレクション研究所によると、鑑定の難しい年代物を諦め、文化大革命(文革)時代の毛沢東バッジや胸像をあさる外国人客も少なくないのです。
毛沢東も、ここではすでに骨董。
1991年6月初め、天安門事件からまもなく2周年を迎えようとするとき、この骨董街に奇妙な品物がひそかに出回っているのが日本人旅行者に目撃されました。
「平息暴乱記念」の6文字と、兵士の肖像が入った記念の腕時計です。
89年の天安門事件は、中国の公式規定では「反革命暴乱」とされています。