フランク ピアノ五重奏曲へ短調 2
初演は、一八八○年の1月17日行なわれているが、
そのときピアノを弾いたのは、大作曲家のサン=サーンスであった。
この曲の場合も、「交響曲二短調」や「ヴァイオリン・ソナタ」と同じく、
フランクが得意としていた循環形式と半音階的和声法とが巧妙に用いられている。
この半音階的和声法を多用しているのは、
フランクがすぐれたオルガニストだったからである。
ところで、この曲には、いままでのフランクにはみられなかった、
激しい情熱の高揚をみることができるが、
それは、彼がこのころ、ある女流詩人に、ひそかに恋の炎を燃やし
ていたからだといわれている。